フェアバーンとサイクスはナイフ戦闘のエキスパートで、彼らが生み出したこのナイフには、その経験が生かされている。両刃で切れ込み入りのグリップを備え、連合軍の特殊部隊の間で好まれた。
フェアバーン・サイクス(Fairbairn-Sykes)ファイティングナイフは1941年より製造が始まったイギリスの戦闘用ナイフ。
イギリスは元来コマンドスやSASを始めとした機動性に富む特殊部隊を抱えており、彼らの任務に適したナイフを求めてフェアバーン氏とサイクス氏によって開発された。 このナイフは特殊な形状をしており、先細ったスチレットのような刺撃のできるデザインでありながら、斬撃もできるよう両刃にされた。 過酷な環境で生き延びるためのサバイバルナイフと違って対人戦に特化したフェアバーン・サイクスは隠密に、かつ奇襲攻撃に使えるよう7インチの長い刃渡りを備えている。 この刃渡りは厚手のコートなどを着込んで武装した兵士も無力化できるよう計算されたデザインで、この刃渡りは後に7.5インチに伸長された。
イギリスの特殊部隊や空挺部隊には1941年から製造・配備が進められたほか、アメリカ軍もOSSがコピー製品を作ったほか、 カナダとアメリカの連合特殊部隊である"悪魔の旅団"や海兵隊のマリーン・レイダースでもフェアバーン・サイクスを基にした改良型ナイフを開発していた。 このナイフはフェアバーン氏の格闘術、「フェアバーン・システム」に基いて使われる事を想定して作られており、実際に第二次大戦では大いに活躍した。
フェアバーン・サイクスの活躍から1945年以降も製造は続けられ、朝鮮戦争やベトナム戦争中にも製造は続けられていた。 これらの製造数はおおよそ200万にのぼると言われており、現在もコアな顧客のためにレプリカや本ナイフをベースにしたナイフを売る企業も存在する。 ただし1945年以降の本ナイフは品質が低下しており、アメリカでコピーされたOSSナイフも同様に粗雑な作りであった。 製造は現在も行われており、イギリスの厳しい訓練であるオール・アームズ・コマンドーを修了した兵士やイギリス海兵隊員に本ナイフが支給されている。
なおフェアバーン氏の考案したフェアバーン・システムは1943年の彼の著作、「Get Tough!」にて読む事ができる。 この本についてはYoutubeに挿絵のみをまとめた動画がある。
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