P38 Pistolは、第二次世界大戦中のドイツ軍の正式拳銃であった。この銃で採用された技術的革新は、現代にも引き継がれている。9mmパラベラム弾を使用した。
ワルサーP38は、ルガーP08に代わるドイツ国防軍向け半自動拳銃として1938年にドイツのワルサー社により開発された。 ルガーP08と同じ9×19mmパラベラム弾を使用し、装弾数は8+1発。第二次大戦を通してのドイツ国防組織の標準的なサイドアームの一つであった。
もとは1931年にP08を代替する拳銃の模索を開始したヴァイマール共和国軍に応えるべくPP等の製品で多くのノウハウを得ていた同社が開発を開始。 ポーランド侵攻までに本銃の性能を見定めていたドイツ国防軍部は1940年にP38の大規模生産を要請、ワルサー社だけでなく、マウザー社等で総生産を行い大規模な数を戦線に供給した。 先代のP08のトグルアクションに起因する複雑な構造と砂塵・泥に対する脆弱性への反省から、「より高性能、より高い信頼性」を求めるべく設計された本銃は先進的な機能を備えていた。 当時の軍用拳銃としては珍しいDA機構・残弾を示すローディングインジゲーター・デコック機構を備えたセイフティ等を標準搭載し、安全・利便性を追求したモデルとして高評価を受けた。
弱点としては上記の多機能さ故にP08程ではないが構造が複雑だった点が挙げられ、戦況悪化につれて品質が明らかに落ちた等、結果的に先進的過ぎた設計だったことは否めないが、 P38もまたP08・モーゼルC96と同じくドイツ独特の魅力ある拳銃として親しまれ、連合軍の兵士たちも戦利品として得ようと血眼で探し回ったという話もある。 民間モデル製造や少数ながら海外輸出も行われており、一部はスウェーデンやアメリカに渡ったほか、戦後は刻印類を変えたP38が「P01」として西ドイツ軍に再採用された。
因みに、上記の機構はドイツの同盟国だったイタリアのベレッタ社の拳銃にも用いられ、後に「ベレッタ・92」がアメリカ軍・フランス軍の正式拳銃としても採用されるまでに昇華した。 また、その独特ながら現在の拳銃に通じるようなスタイリングも評価が高く、日本では「ルパン三世」のTVアニメ放送時に同名キャラの愛銃として採用され、一般認知度も異様に高い。
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